米粉のパンやお菓子作りでよく聞くワード「吸水率」。吸水率とは、米粉がどれくらい水分を吸うかを表したものです。実はこの吸水率が、米粉パンやお菓子作りにおいて非常に大切。今回は白玉団子を作りながら、米粉の吸水率について解説していきます。
約15分 <難易度>★☆☆今回比較に使った2種類の米粉
今回は「みたけ食品 米粉パウダー」と、「富澤商店 パン用ミズホチカラ」の2種類を使用しました。
米粉の吸水力をチェック!
一見すると、「みたけ食品 米粉パウダー」も「富澤商店 パン用ミズホチカラ」どちらもサラサラで、同じように微細な米粉。大きな違いはなさそうに見えます。
ですが、それぞれに同量の水を加えてみます。すると、
左:「みたけ食品 米粉パウダー」は水がすぐになくなるのに対し、右:「富澤商店 ミズホチカラ」はトロトロとしたままです。同じ量の水を加えましたが、形状がかなり異なることがわかります。
吸水率が高い米粉と、低い米粉がある
上記の写真から、「みたけ食品 米粉パウダー」は水をたっぷり吸う「吸水率が高い米粉」だとわかります。
反対に、「富澤商店 ミズホチカラ」は水をあまり吸わない、「吸水率の低い米粉」だとわかります。
例えば、こちらのレシピを見てみましょう!
米粉160gに対して水130gを加えるレシピです。「富澤商店 パン用ミズホチカラ」で使用すると、下写真のようなトロトロした状態の生地になります。
対して吸水率の高い米粉160gに水130gを加えると、水をすぐに吸い、ドロドロとした形状になります。上記のようなトロトロした状態にするためには、たくさんの水を追加する必要があり、たとえ同じ状態にしてももっちりと餅のように重たい食パンになってしまいます。
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>>吸水率とは?失敗しない米粉の選び方
吸水率の高い米粉はもっちり!吸水率の低い米粉はふんわりが得意!
「富澤商店 パン用ミズホチカラ」のように、吸水率の低い米粉はふんわりとしたパンが仕上がります。では、「みたけ食品 米粉パウダー」のように吸水率の高い米粉は、何に使うといいのでしょうか?
吸水率の高い米粉は、もっちりお団子作りにおすすめ
比較からわかるように、「吸水率の高い米粉」もっちりとしたお餅上の食感が生まれます。そのため、お団子など和菓子作りが得意。早速作ってみましょう!
材料(約28個分)
米粉:150g 〜
絹豆腐:1パック(150g)
砂糖:15g
水:適量
<みたらしのタレ>
醤油:大さじ2
砂糖:大さじ3
みりん:大さじ1
片栗粉:大さじ1
水:150cc
作り方
【1】豆腐を水を切らずにそのままボウルに入れ、クリーム状になるまで手で潰しながら混ぜる。砂糖を加え、さらに混ぜる
【2】米粉を加え、粉気がなくなるまで混ぜる
【3】指先に水をつけながら、耳たぶくらいの柔らかさになるまで捏ねながら調整する
【4】約2cmの太さの棒状にのばし、1.5cmにカットする
【5】コロコロ丸めてお団子状にし、火通りが良くなるよう真ん中を少し窪ませる
【6】沸騰したお湯の中に入れて茹で、全て浮かび上がったら1分間さらに茹でる
【7】冷たい水にとり、冷ます
【8】<みたらしのタレ>の材料を全てお鍋に入れてとろみがつくまで加熱する。団子に絡める
▼作り方は動画でもご覧いただけます▼
パン用ミズホチカラでもお団子作ってみた!
吸水率の高い「みたけ 米粉パウダー」で作ったお団子は、時間が経っても中までもっちりとおいしく仕上がりました。同じ工程で、吸水率の低い「パン用 ミズホチカラ」でもお団子を作ってみました。
パン用ミズホチカラは、上の配合だとベタベタしてまとまらず、ミズホチカラを50g加えています
パン用ミズホチカラは、もっちり感が出にくい
カットした断面を見ると、左の「みたけ米粉パウダー」の方が中までしっかり浸水してもっちりとした食感なのに対し、左の「パン用ミズホチカラ」は中が芯のような状態で、やや粒感を感じます。
お団子には、「みたけ米粉パウダー」が適していることがわかります。
米粉はレシピにあわせて使い分けるのが正解!
いかがでしたか?米粉は、メーカーによって製粉方法が変わるため、吸水力が異なります。
「吸水率の高い米粉」は、もっちり感を出したい餅のような和菓子のほかに、ホワイトソースのとろみづけなどにもおすすめです。
「吸水率の低い米粉」は、ふわふわサクサクといった軽い食感を出したいパンやお菓子作りにおすすめです。
米粉を使う場合は吸水率に気をつけて、レシピや用途に合わせて使い分けると、失敗が少ないですよ!
ミズホチカラを使ったパンレシピはこちら